UI/UXワークショップ運営の難しさ
お隣の部署が主催でこんなイベントを開催していたので、オブザーバーとして聴講してきました。(場所は思い出深い、KDDI ∞Labと同じヒカリエオフィスの34F)
UX Innovation Meetup vol.1【 KIRIN ✖️ MOGLID 】参加無料/抽選 | Peatix
デジマ界隈では、よくあるワークショップ×ピッチ。
今回の特異点としては、
・ノミモノシバリ
・各テーブルのチームにUI/UXデザイナーが必ずアサインされていたこと
などでした。
参加者のバックグラウンドは、様々なようで、活発なディスカッションが各テーブルで行われていました。
僕自身もワークショップをファシリテートすることが、多々ありましたが、会の難しさは、その参加者との、Word、概念の共通言語化、ナレッジが標準化していない時は、その最下部に合わせないと、議論が進まない、ということ。
(知識がないのが悪、という意味ではなく、議論の方向性が情報強者に引っ張られがちになってしまう、ということ。)
今回のようなUI/UXを軸としたワークショップは、実はとても高等技術と前提知識が必要で、顧客体験軸でも、テクノロジー自体のその経験を、体験をしたことがあるかないか・・
例えば、メルカリやUber、Amazonダッシュを利用したことがらあるか、ないか、
また、コミュニケーションマーケティングの話なのに、SNSとほとんど触れ合わない生活をしている、など。
(いずれも経験がないことが、悪、という意味ではなく、イノベーティブな世界をイマジネーションするのに、2017年現在のイノベーティブな体験をしていないのでは、議論のスタートポジションが変わってしまう、ということ。)
当然ですけど、UI/UXは、数時間で体得できることでもなく、そのエッセンスを掴むことだけでさえ困難な場合も。いまでは企業内に選任の担当さんがいたり、それ自体をコンサルティング/マネタイズの手段としている企業さんもあったり。(今日の主催の会社さんがそうかな。)
今日のスライドであった
この概念/スキームも、初耳な方には、いまこの時間に忘れてしまっていることだろうけど、UI/UXにおいては、基本的なフレームワークだったり。
僕も去年、某シンクタンクが主催するデジタルマーケティング分科会で、半期くらい取り組んだことで、ようやく書籍を手にしたりしたくらい。
UX × Biz Book ~顧客志向のビジネス・アプローチとしてのUXデザイン~
- 作者: 明海司,井登友一,奥谷孝司,川田学,坂本貴史,橘守,田平博嗣,塚本洋,萩谷衞厚,原裕
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/12/27
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
昨年/年始も紹介したかも、ですが、この書籍は、入門として、最適な一冊。
一口にUI/UXと言っても、業界によって、そのスコープは異なる。(EC専業?SPA?B2B?など。)
そのことを先ずテーブルにひろげてくれるのが、この書籍で、羅針盤となる書籍。
なかでも、こちらの井登さんの寄稿は、ぜひご一読を。
僕らの業界に必要な視点の1st stepが記してある。
出版記念セミナー『顧客志向のビジネス・アプローチとしてのUXデザイン』ダイジェストレポート | D2Cスマイル
こちらの書籍の新しいところは、UI/UXDをビジネスレベルレベル=マネタイズの
視点までも、ちゃんともっていっているところ。
絵に餅にらならず、事業体としてサスティナブルな活動へと。
で、今回のワークショップイベントですが、オブザーバーとして外から見ていた感じ、要素はかなりモリモリで、通常なら、一泊の合宿くらいしてもいいくらいの、しっかりとしたUI/UX設計のワークショップでした。
前述もしましたが、ユニークだったのは、かならず、どこのテーブルにもUI/UXデザイナーがいた、ということ。
つまり、ディスカッションの内容をその場でモック化、ビジュアライズ化までもっていける座組みを、用意していたこと。
空論で、終わってしまいがちなワークショップを、リアルタイムに、実際のプロトタイプまでもっていくことで、その場のノリと勢いで、チームでプランしたことが、ユーザー視点に立ち戻ったとき、イケてるか、イケテナイか、のジャッジや軌道修正もできる。
今回は、総じて、オブザーブしていた感じでいうと、ややイノベーティブさには、もう一歩かな!?、と。
もうちょい発想の飛躍はあってもよかったかなー?
かつ、軸である、顧客視点/コミュニケーションをもった、ハイブリッドな打ち手は、まだまだディスカッションの余地があるかな!と。
参加者が、ただのブレストや知識のお披露目に終わらないように、ファシリテートするのって、本当に難しいとおもいます。
とはいえ、19時から22:30まで、ほぼノンストップで、みなさま、お疲れ様でしたっ!